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シューケア靴磨き工房 ルクアイーレ イセタンメンズスタイル <紳士靴・婦人靴のケア&修理>

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2013年 04月 24日

Yuki Shirahama Bottier に学ぶ、フレンチスタイル。


 以前、初めてお披露目させていただいた、靴職人、白濱結城氏のオーダー靴。
 いよいよ次の土日にオーダー会を開催いたします。

 今回は、また別のオーダーサンプルをご覧いただき、氏の靴作りのバックボーンに少し迫ってみたいと思います。


 さて、まずは全体像。

Yuki Shirahama Bottier に学ぶ、フレンチスタイル。_b0226322_14513657.jpg

 極めてシンプルでありながら、これまで見たことのない独特のデザインです。
 アイレット周りからトップラインを囲む、帯状のパーフォレーションが、控えめなシルエットに華を添えます。


Yuki Shirahama Bottier に学ぶ、フレンチスタイル。_b0226322_14514999.jpg

 逆サイドから。
 何とも言えぬ、油絵のような独特の色彩にお気付きでしょうか?
 この色付けはパティーヌと呼ばれる技法で、様々な色を重ねたり抜いたりを繰り返しながら、独特の美しいムラ感を生み出していくのです。

 靴好きの方ならご存知の方も多いかも知れませんね。
 そう。パティーヌは芸術の都、フランス、パリのブランドが得意としています。

 白濱氏も修行時代、パリの『アルタン』という靴店でシュール・ムジュール(仏語でオーダーメイドの意)の靴の製作を手掛けておりました。
 革に生き生きとした美しい表情を与えるこの技法も、その際に体得されたとのことです。


Yuki Shirahama Bottier に学ぶ、フレンチスタイル。_b0226322_14521112.jpg

 美しく整ったコバ周り。
 海外のブランドの中には、手作り感を強調する為か、そもそもスキルが低いのか、このあたりの表情が荒いものが、かなり多く見受けられます。

 もちろん白濱氏の靴に、そんな妥協は皆無。
 ミシン縫い以上に整ったステッチが、限りなく繊細でありながら、同時に圧倒的な力強さも兼ね備える、『Yuki Shirahama bottier』のアイデンティティをより鮮明にしているのです。


Yuki Shirahama Bottier に学ぶ、フレンチスタイル。_b0226322_14523741.jpg

 次は底面の画像です。
 奥が以前の記事でご紹介させていただいた靴で、手前が今回の靴です。
 同じ作者の靴なのに、全く底の表情が異なるのは何故なのでしょうか?

 実はフランスでは、今回の靴のようにウェストをあまり絞らずヒールの面積も大きな、安定感のあるスタイルの方が割とポピュラーなのです。

 『アウトサイド:スクエア、インサイド:ベヴェル。』

 もはや、興味のない方には暗号のようですね。(笑)
 内側の踏まず部だけを、『ベヴェル・ウェスト』と呼ばれる、手製靴ならではの方法で立体的に仕上げるこのやり方は、多くのクラシックなフランス靴に見ることができます。



 昨今の日本では、土踏まずを盛り上げて思いっきり絞り、ヒールもテーパードさせてコンパクトに仕上げた、起伏に富んだスタイルが人気のようです。
 確かに、それらは多くの手作業なしでは形成できないディテールで、実に美しく魅力的です。



 しかしながら、テクニックを声高に叫ばなくともオーラを放つ、このどっしりした男らしい底付けもなかなか魅力的ではないでしょうか。
 特に、Uチップやウイングチップなど外羽根の靴などには相性が良さそうですね。


 、、、、、


 念のために申し上げておきますが、白濱氏自身は『アウトサイド:スクエア、インサイド:ベヴェル』のスタイルだけを特に推しているというわけではありません。
 あくまで、ご希望のスタイルや全体のバランスに応じて、これらは如何様にも変化させることができるのです。



 いずれにしましても、ひとつだけハッキリしていること、それは、、、

 どんなスタイルも圧倒的な完成度ですよ!!
 と、いうことなのです。


 .........


 私も靴が好きでこの仕事を続けているもので、これまで数々の職人さんにお会いして、そしてお話しさせていただきました。

 今から約10年位前あたりから、スローライフに憧れる人々の間で手製の靴作り始める方が増え、そして今日では、白濱氏のように海外での修行経験のある職人さんも珍しくなくなってきました。

 しかしながら、『注文靴』という文化は、オーダースーツなどに比べ、まだまだ日本では市民権を得ているとは言い難いです。
 20万円のオーダースーツを着ていても、足元は2~3万円の量産ビジネスシューズで済ます方が大半だと思います。


 、、、、、


 でも、感じるのです。


 ここ数年、
 変化の兆しを。


 きっと、若くて頼もしい職人さん方の努力と、それを支える感性豊かな顧客の方々の、密なコミュニケーションの蓄積によって、今後日本は世界に類を見ない、注文靴国家になるのではないかと、私は密かに楽しみにしているのです。


 、、、、、


 因みに、イギリスやイタリアで修行をされた職人さんは比較的多いのですが、白濱氏のようにフランスで経験を積み、伝統的なフレンチクラシックの様式美を理解されている職人さんは、実はあまり多くはないのですよ。

 皆様も、オーダー会の際には、是非当店にお立ち寄りいただき、実際に白濱氏とお話ししてみて下さい。
 もしかしたら、パリのエスプリを感じることができるかもしれません。


 、、、、、


 ※注、白濱氏はなかなかの九州訛りですので、あしからず。。。


【お知らせ】
 生活総合情報サイト、オールアバウトに記事が掲載されました。 
 合わせてご覧ください。



【受注会について】

 職人、白濱氏が来店し、お客様だけの1足をお仕立いたします。

 開催日:4月27日(土)、28日(日)
 価格:294,000円(税込)~
 納期:6ヶ月後(仮縫い:3ヵ月後)

 ※ご予約優先とさせていただきます。
 
 お問い合わせ先:JR大阪三越伊勢丹 8階 紳士靴売場 Tel:06-4301-3934



Yuki Shirahama Bottier に学ぶ、フレンチスタイル。_b0226322_15423440.jpg

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by osakamituise-care | 2013-04-24 15:15 | ルクアイーレ8階 シューケア工房


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